1980年にアメリカの医師免許をとり、ハーバード大学で角膜フェローシップを修了しました。もっとも進んだ角膜移植を学んだ僕は帰国後、日本ではドナーの不足により患者様を救えないというジレンマに陥りました。東京歯科大学市川総合病院に赴任後、アメリカから角膜を輸入して移植を行うという新しいシステムを構築しました。篠崎尚史先生(現、東京歯科大学角膜センター長)とともに新しいアイバンクと角膜センターを立ちあげ、日本でもっとも角膜移植が行えるセンターとなり、今では島崎潤教授のリーダーシップのもとさらに実績を伸ばして年間5000件の角膜移植を行なう施設となっています。これは僕もとても誇りに思っています。また、再生医療を用いた角膜移植治療も世界に先駆けて行ってきました。現在は、慶應義塾大学病院や南青山アイクリニックでも角膜移植治療に力を注いでいます。アイバンクのためのチャリティーミュージカルなども企画して、皆さんに目の見える素晴らしさや重要性について啓発活動をしています。
さらに、iPS細胞を用いた角膜再生医療の研究にも榛村重人准教授と共に取り組んでいます。将来、iPS細胞で角膜移植ができるようになって、最終的にはアイバンクが必要なくなる世界になったら素晴らしいと考えて研究に邁進しています。角膜アトラス 原書第2版
不可能を可能にする 視力再生の科学